Solution-創作ネタ置き場

個人サークル「Solution」としての音楽と、おまけの小説、あるいは創作全般のあれこれについて。雑談も多め。

Backlogを使わずに同人誌の新刊を落とさない秘訣を知りたい

Backlogを使わずに同人誌の新刊を落とさない秘訣を知りたい

お話の筋「同人活動×プロジェクト管理ツール」

  • イベントや作品の投稿など、目標に向けた同人活動にもプロジェクト管理ツールが役立つ
  • 「作戦基地」として、Wikiやバージョン管理を利用出来る

Backlogとは

Backlog 公式サイト

  • おおむね「企業(特にIT関連)向け」のプロジェクト管理Webサービス
    • 別に自分みたいに個人で使うためのフリープランだってある
  • タスク登録だけでなく、Wiki、ファイル管理、バージョン管理まで対応
    • おそらく、IT企業をターゲットにしたためなんでしょうねー
    • プログラマーとして働いてますが、ガントチャートなど、よくお世話になるツールの名前が出てきます
  • 1プロジェクトのみ、かつ10ユーザーまでなら無料で使える
    • 有料プランは、1人で使うには月額が大きい(企業向けだから当然なんですが)

趣味のためのBacklogの運用を再開して2週間が経ちました

同人活動ですら、「やりたいこと」「やらなきゃいけないこと」がいっぱい

ご挨拶が遅れました、うらひとと申します。 普段は、ボカロを使った楽曲の製作、小説の執筆、またそれらに関わるプログラミングといった、複数の分野での同人活動を行っています。

え?「プログラミングは同人活動じゃない」ですって? 最近の活動記録(ブログ過去記事)をご覧下さい。プログラミングを同人活動に利用している(ごく簡単な)例を書いておきました。

さて、ちょっと煽り気味のタイトルを書いておいて大変お恥ずかしいのですが、自分はまだ同人誌を出したことはございません。「予定」は出来れば今年中に。

もちろん人によって、同人活動に「タスク管理」「プロジェクト管理」が必要になるかは変わってくると思います。ここでは、「何らかの即売会イベントへの出展(=サークル参加)を予定している人」や「安定して作品を提供したい人」など、何らかの「期限」を持つ方を想定して書いております。

話を分かりやすくするために、プロジェクト管理ツール「Backlog」に出てくる用語を「同人活動」に当てはめて書いてみましょう。(と言っても、自分はこう考えて運用しているよ、というお話です)

用語とか、運用の参考例とか

Backlogの課題検索画面の項目を全部さらったので、ちょっと長いです。

あと、別にこの通りにきっちりと運用しているわけではありません。参考までに。

用語

課題
「やりたいこと」「やらなきゃいけないこと」をひっくるめたもの(とします)
種別「アイデア
「やりたいこと」のうち、緊急でない&重要でない課題
種別「タスク」
「やらなきゃいけないこと」と、「やりたいこと」のうち、緊急のor重要な課題(アイデアレベルでも、数時間かけてやる可能性があるなら登録してもよい)
種別「マイルストーン
「やらなきゃいけないこと」のうち、依頼製作やイベント出展にかかわる「期限」を課題としたもの。内容はタスクへ細分化が必要
種別「要望」
これは複数人でプロジェクト管理したいときに使うものかなと思います。自分は運用外にしています。(あ、でも「お題箱」で頂いたネタとかが当てはまるかな)
プロジェクト
Backlogなどプロジェクト管理ツールでは、システムや企画ごとにフォルダ(プロジェクト)分けをします。自分の運用では1プロジェクトが限界なので「カテゴリー」や「マイルストーン」に振り分けています
カテゴリー
本来は「プロジェクト内の分類」ですが、自分は「作品」や「分野」単位で切り分けしています(後述)
マイルストーン(※)
プロジェクトを細分化した、重要な「チェックポイント」。「ここまで終わってないといけない」といったもの。自分は中規模までの「プロジェクト」そのものやプロジェクトを横断する「振り返りや定期作業のタグ付け」で利用しています
発生バージョン
本来は「プログラムのバグ修正」や「バージョンアップ」にかかわる(どのバージョン で起きたバグか)タグ付けのためのもの。自分は、プロジェクト内で収まる「振り返りや定期作業のタグ付け」で利用しています
重要度
課題の種別で表しているので、自分はモチベーションの高さをここで表しています
登録者・担当者
複数人運用のときに役立ちますかね。自分は運用外としています
完了理由
タスクを完了にするときに、振り返り時に混乱しないためのタグ付けです

マイルストーン: 英語で"milestone"、mile(マイル:距離)のstone(石)。ここではマイルス・デイヴィスの「Milestones」のことではありません。鉄道や道路で使われる「距離標」(キロポスト)のことです。転じて目標に対する通過点や目印を指します。ここでは「チェックポイント」とします。

同人活動に当てはめると

個人でのイベント出展の場合

  1. イベント名でマイルストーンを作ります(設定画面から)
  2. カテゴリーは作品名(あるいは原作名)で作っておきます(設定画面から)
  3. 「プロット」「執筆」「推敲」「印刷の発注」「イベントの参加」といったチェックポイントごとに、種別「マイルストーン」の課題を立てます。発生バージョンはイベント名を流用します。
  4. チェックポイントの内容を、種別「タスク」の課題に細分化します。しっかりと時間の見積もりを立てましょう。 1
  5. 必要に応じて、「余裕があったらやりたいこと」を種別「アイデア」の課題として登録しておきます

楽曲など単品の作品をアップロードしたい場合

  1. カテゴリーは、分野やシリーズ名で作っておきます
  2. マイルストーン(種別の方でも可)は、作品の規模によって、半期~四半期くらいでざっくりと作っておきます。
  3. 楽曲なら、「打ち込み(録音)」「ミックス・マスタリング」「動画作成」「宣伝計画」「投稿」といった具合に、種別「タスク」の課題を立てます 2
  4. 必要に応じて、「余裕があったらやりたいこと」を種別「アイデア」の課題として登録しておきます

自分の場合

だいたい参考例に挙げたような感じ

とまあ、色々書いてみましたが、普段は「楽曲など単品の作品をアップロードしたい場合」の運用をしています。これからやるであろうイベント出展も、だいたいこのような運用にしようと思います。

また、特に発生バージョンの運用として、「月次レビュー」とか「1月の大掃除」という定期的な、時間のかかる作業を作っています。週次レビューになると種別「タスク」の課題で済ませますね。

内容の記述に、MarkdownやBacklogの簡易wiki記法が使える

はてなブログMarkdown記法に対応していることもあり、運用再開時点からMarkdown記法で内容の書き込みをして、ブログ関連のタスクはこれを下書き代わりにしています。 3

さらにBacklogには、Wikiがついている

特に創作クラスタの皆さんには、ネタバレを防ぎたい情報とかを載せておくのに役立つと思います。また、単に作品の概要や構想を練る段階での企画書をここで立てておく、といった運用も実際にしています。

補足

メンバーを入れない個人運用の場合なら、第2の個人サイトとして使うのもアリかなと思っています。

また、「課題」の一覧とは別に、予定しているイベントの日程などをメモしておくと楽です。自分は依頼の受注や合同(コンピ)の参加状況も書くようにしています。

エンジニア以外での事例

GitやSubversionを使えるなら、Backlogと連携させてしまおう

バージョン管理ツールという、ファイルごと履歴を残すツールがあります。その代表例がGit(ギット)やSubversion(サブバージョン)です。GitはGitHub(ギットハブ)というサービスにも利用されていますね。

自分はGitHubで運用を始めてしまったので、今のところは移行の予定は無いのですが、作品を更新・修正してアップロードした後、「やっぱり前のほうがいい」と思ったときに差し戻しが出来るので、創作用のバージョンツールが出来ないかなあ、とちょっと前のブログ記事でも書きました。

カテゴリーと、マイルストーン、発生バージョンで重要なこと

分野や作品(カテゴリーに分類するもの)が多くなると、何も考えずに名前を登録してしまうと「これってどの分野だっけ」とわからなくなる可能性があります。

その予防策として、自分なら「C00_同人活動全般」といったように、頭に英字1文字+数字2桁で番号をつけています。ご参考までに。

状態「完了」を検索して、振り返りに使う

運用再開し始めて、週次レビューを書いたのですが、タスク名だけで何となくやった内容も思い出せて、振り返りに大いに役立ちました。

2018年はこれが月次、年次と役立ちそうで、わくわくしています。

ただし

どれくらい時間をかけたか、というのは、有料プランでも上位の方か、ほかのWebサービスを利用するしかなさそうです。今のところ、clock it!というサービスを利用しています。

まとめ

大まかに内容をまとめてみます。

  • イベントや作品の投稿など、目標に向けた同人活動にもプロジェクト管理ツールが役立つ
  • 「作戦基地」として、Wikiやバージョン管理を利用出来る

といったところでしょうか。

まだ運用再開から2週間という短い期間ではありますが、少しずつ、着実に成果を上げている気がします。実際、昨年使っていた時のログがこちら。

f:id:Urahito:20180115204736j:plain

タスクの番号(左端)が前後しているのは、大枠から細分化した過程の結果です。

こんな感じで、何をどこまでやるかというのを細分化してやっていたのがわかります。そして、今は活動の幅が広くなったことで、その必要性が増したように感じます。

同人活動に励む皆さんも、Backlogは日本語で、条件付きとはいえ無料で使えますので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか!


  1. とはいえ、だいたい数時間単位で見積もれたら十分です。別途他人への依頼事項があれば、短時間のものでも重要度「高」として立てておきましょう

  2. これも、だいたい数時間単位で見積もれたら十分です。別途他人への依頼事項があれば、短時間のものでも重要度「高」として立てておきましょう

  3. Evernote経由ではてなブログに載せるとき、wiki記法のものをペーストすると、スタイル化されてテキストが崩れるので、Markdownをお薦めしています