Solution-創作ネタ置き場

個人サークル「Solution」としての音楽と、おまけの小説、あるいは創作全般のあれこれについて。雑談も多め。

【小説・雑記】n次創作

どこまでがオリジナル(狭義の創作、一次創作)と呼べるのだろう、というお話。
自分はモリミヤSKAバンド以外に、企画を主催したり、あるいは参加したりしています。
その、特に「創作企画」と呼ばれるものというのは、割と広い範囲までが「1次創作」(注1)として捉えられることもしばしばあります。
(注1:本来は漢数字で表すべきところですが、説明を分かりやすくするため)

一方で、ごく個人的に認識している区分としての創作(まとめて『n次創作』とします)というのは、そういった認識とは異なる部分があります。
代表例として診断メーカー『学生戦争ったー』(以下『学戦』)における、『学戦本家』(診断)と『学生戦争プロジェクト』(学プロ)を挙げますが、これは少し後で。

この認識について簡単にまとめるならば、以下の通りになります。
・1次創作
版権などに頼らない、個人の範囲での創作。あるいは企画の世界観を説明する作品群。
音楽でいう作詞・作曲。

・2次創作
いわば『派生作品』。版権作品のファン作品、あるいは企画への参加や、それに伴う作品。
音楽でいう替え歌、編曲(アレンジ)、または歌ってみたなどのカバー作品。

・3次創作以降( n次創作 )
2次創作の2次創作(法的には二次創作)。これを定義した理由は先ほど挙げた学戦の話でします。

恐らく1次創作、2次創作については、意図しているところはご理解頂けると思いますが、「3次創作ってなんぞや」と思った方のために、先ほどの『学生戦争ったー』を例に一筆書かせていただきます。

【学生戦争ったーとは】

診断メーカーによって共有されている、『違う歴史を歩んできた日本で、学生(注2)同士が戦争をしている』という世界観、およびその診断メーカーそのものや世界観共有サイトを指します。便宜的に総称して『本家』とします。
(注2:『本家』設定では17~19歳の『高等部』を想定? 後述の『学プロ』では、小説では高等部、漫画では中等部も加わっているとあります)

さて、この『本家』を先ほどの認識に当てはめると、これは企画の世界観を指すものなので、ここでは「1次創作」になります。
もちろん、著作権的な表現としては、企画はあくまで「アイデア」であり、「作品」ではないので「原作」とは断言できませんが、『学プロ』の作中でも『原案』という表記がされているため、ここに位置づけます。

【学生戦争ったーの世界観によって作られた作品】

これには、以下が挙げられます。
・診断メーカーによって、創作ファンがキャラクターや作品を作ったもの
・診断メーカーの世界観を元にした『部隊』『企画内企画』など
KADOKAWAによる『学プロ』の版権作品群

どれも、アイデアではなく実際に作品として成立していれば「1次創作」と言えます。
一方で、『本家』を一次創作とするならば、これは『本家』の派生作品ですので、先ほどの定義でいえば「2次創作」になります。
また、 『学プロ』は本家設定にはない『土曜日は、戦争』という、世界観を決定づけるキャッチフレーズであったり、これも本家にはない『武霊具』(ブレイグ)という概念を用いているため、本家とは区別を付けなければ逆にややこしくなると考えています。
まったく別の作品として捉えるならば「1次創作」で問題ないのですが、ベースとなる部分は一緒なので、『本家』から派生した作品である、というのが個人的な認識であり、それゆえにこの作品は「2次創作」である、と主張しています。

【3次創作】

ようやくこの話になります。『派生作品』の『派生作品』ですから、以下のようになります。
・他人のキャラクターを登場させた作品、企画内企画作品など
・『学プロ』の2次創作(派生)作品

はい、ここで「3次創作」という表現が必要になった理由が書けます。
前者は広義的には「1次創作」でも「2次創作」でも良いと思っているので割愛しますが、問題は後者。
まあ、本音を言えばそれも「2次創作」でもいいんですが、もし仮に『本家』を「1次創作」としたとき、『学プロ』は「2次創作」であり、そのファン作品として派生させると「3次創作」作品になります。
もっとも、『学プロ』は『本家』とは違う作品という意味の「本家」として位置付けるなら、「2次創作ですね」でおしまいなのですが。

ただちょっと問題になるのは、『学プロ』が発足した当初も言われていたのですが、『本家』の2次創作のつもりで書いた(描いた)つもりが、『学プロ』の2次創作と勘違いされてしまう、という点でした。
まあ、実質『学プロ』公式Twitterが失踪というか、ほぼ消滅状態にあるので、その懸念はいらなさそうですが。

【総括】

作品の源流を考えるのは、企画交流をする上で大事だと、個人的には思っています。
その「アイデア」を源流とするか、いやいや「作品」が源流だろうとするか。
それによって、考え方が違ってくるのかなあ、と思っています。
個人的には「アイデア」が源流派ですね。

【余談】

実際、音楽同人の世界では盛んに派生作品が作られていて、もう数えるのを止めて「n次創作」と呼んでいるとかどうとか。
また、調べてみたら「1.5次創作」(注3)という言葉もあるようで、『本家』の2次創作はこれにあたるのかな、とも。
(注3:「既存の作品の世界観を借り、登場人物を全く独自に作ったもの」などが挙げられるようです。ニコニコ大百科より引用)