Solution-創作ネタ置き場

個人サークル「Solution」としての音楽と、おまけの小説、あるいは創作全般のあれこれについて。雑談も多め。

「えんとつ町のプペル」の炎上騒動についての個人的な感想の訂正と続き

「えんとつ町のプペル」の炎上騒動についての個人的な感想の訂正と続き

この間の記事の続きになります。
urahito-solution.hatenablog.com
元となった記事の2017/02/05時点での記事を読んでみて、どう感じたかをまとめてみました。
感想を書くにあたり、なるべく誤解が起きないよう、いくつか引用をしております。なにか引用に問題があれば下げます。

自分の意見を要約すると、以下の通りです。

  • 少なくとも記事内では、「無料公開」と併せて一般販売もしている旨を紹介している。
  • また、無料という「入り口」を設けている、という点で、自分(うらひと)との考えとも一致している。
  • 過去事例として、漫画「ブラックジャックによろしく」でも(新作の増刷を狙い)同様の事例がある
  • やり方は間違っていないのに、言い方がもったいない

news.mynavi.jp

「えんとつ町のプペル」について

引用と解説

まずは目を引くタイトル。

お金の奴隷解放宣言。

http://lineblog.me/nishino/archives/9256089.html

「気を引くため」なのでしょうが、ちょっと刺さるタイトルですよね。
で、刺さった人が誤解しやすい、つまりは「炎上」しやすいタイトルになっています。
これを意訳すると、

  • お金という壁を取っ払います

と言ったところでしょうか。

この方が自然ですし、目的が誤解無く伝わる気がします。いっそ「~壁をぶっ壊します」でもいいかもしれませんが、恐らくミスリードによる炎上商法狙いで「奴隷解放宣言」と書いたような印象を受けました。ここはマイナス点だろうなと。

無料化については、本文にしっかりと記載されています。

色を綺麗に出す為に特殊なインクを使っていて、使用するインクの数も一般的な作品より多く、そしてページ数も多いので、2000円という値段設定はギリギリまで頑張ったのですが、それでも2000円。(中略)たしかに、小学生からしてみると大金で、自分の意思で買うことは難しいです。

http://lineblog.me/nishino/archives/9256089.html

小学生から「2000円は高い」という相談を受けてのこの文言なのですが、2000円という価格設定が相当無理をしている(こだわった故に高くなった)ことを説明しています。

また、以下のようにも触れています。

お金を払って買って読みたい人は、買って、無料で読みたい人は、インターネットで最後のページまで無料で見れるようにします。

http://lineblog.me/nishino/archives/9256089.html

これを見て、ああ、なるほどと思いました。確かに今の時代としては間違っていないのです。
実際、Amazonのサイトを見てみると(実はこの前、先に確認して、気になったのですが)、
https://www.amazon.co.jp/dp/4344030168/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_qKPLybBE93TY8www.amazon.co.jp
ちゃんと「購入」出来るようになっています。
なので、考え方、売り方としては何ら間違っていないのです。

「もしかしたら、コレは入り口でお金を取るのではなくて、人の善意に期待してもいいんじゃないかな?」

http://lineblog.me/nishino/archives/9256089.html

この点も、自分の考え方と一致するので、むしろ支持できます。
この後は、他人のツイートだったか、コメントだったかの引用らしいので、仮にそうだとしたら、載せるにはちょっと違うな、と思ったので割愛します。

では、残る問題は?

自分が安易に手放しで支持できない理由

それでも、やはり支持出来ない部分が、ブログに残っていました。

まずは当然タイトル。ちょっとこれは言い過ぎだと思いました。恐らくは「お金という壁を取っ払います」という意味のつもりで書いたのでしょうけど、これは言い過ぎだと思いました。

また、他にも一部引用して紹介致します。

3ヶ月前に発表した『えんとつ町のプペル』という作品が23万部突破というマグレ当たり。

http://lineblog.me/nishino/archives/9256089.html

(※原文ママ

いくら何でも、実際売れるのは『運』かもしれないし、絵本作家としては無名だったかもしれないけれど、仮にも芸人として名が知れている人が「マグレ当たり」とか言っては駄目では、と。
本気で絵本作家として生活費を稼いでいる人とか、そうでなくてもクリエイターさんに失礼じゃないかな、と。

双方が求めているのに、『お金』なんかに「ちょっと待った!」をかけられているのです。

http://lineblog.me/nishino/archives/9256089.html

(※原文ママ

んー、「『お金』なんか」はちょっと言い過ぎな気が。もちろんこの部分だけを切り取ったら、の話ですが。ちゃんと前後の文書を読めば、意図は何となく伝わります。
仮にそこだけを引用されると、ちょっとまずい表現だな、と。
お金は大事だと思うし、ましてやビジネスとして絵本を書いているのですから。

引用は避けましたが、ちゃんとスタッフにもお金が入っている旨が記載されています。一応。
だとしても、誤解を招いてしまう表現は、クリエイターとして尊敬できるかというと、尊敬できないと断言できます。

少なくとも、言い回しにさえ気をつければむしろ支持を集めることになったはずなのに、すごく台無しに聞こえてしまうのが非常に残念です。
そもそも、それでも利益がカツカツだと記載もあることを考慮して、印税収入がわずかであろうということを踏まえても、23万部という売り上げ部数を出しておきながら、誰かの支持を受けられないようなことを書いて良かったのだろうか、と思いました。

とはいえ、「無料公開」は「ブラックジャックによろしく」で先に実行されていた手法なので、新規性はないからなのでしょうか。もうちょっと、何か良い方法は無かったのか、と思ってしまいます。
news.mynavi.jp

以上を踏まえて

結論としては、「やり方は支持するけど、言い方は支持出来ない」というところでしょうか。
本当に、やり方は間違っていないのに、言い方が勿体なさ過ぎます。
確かに、絵本としては高いけれど、それでもギリギリの利益ですから、何とかして売り上げを伸ばしたい気持ちは分かるのですが。

個人としては、言い回しについてちゃんと訂正なり、もっと言えば誤解を招いたことについて謝罪しておいた方が、今後のためになるとは思います。
ただただ、非常に勿体ないです。